レトロレンタカー・ふたたび
大分県豊後高田市で、旧車を貸し出している「レトロレンタカー」を利用し、このサイトで紹介したのは4年程前だった。(以前の紹介記事)
そのときはダイハツコンソルテを借り受けて楽しんだのだが、先日再度同地を訪ねる機会があり、今度はニッサンプリンススカイラインを借り受け楽しんできたので、ここで写真などを紹介したい。

今回借り受けたスカイラインは、1963年(昭和38年)登場の、2代目スカイライン。
現車はその後期モデルとなる1968年(昭和43年)式。後継機である3代目スカイライン、いわゆる箱スカが登場したのは1968年夏であるので、2代目の最末期のモデルとなる。
スカイラインといえばスポーツモデルの印象が強く、この2代目スカイラインでも6気筒エンジンを積んだスポーツモデルの知名度が高いが、このクルマは1500ccエンジンを積んだベースモデルとなる。

で、運転した感じであるが、比較的自然に受け入れられたコンソルテの時と比べると、少々勝手が違う印象があった。
まず、加速はイマイチで、エンジンのうなり音とは裏腹に加速は鈍く、そのうなり音も重苦しい感じのもので、トラックを運転しているような感じで軽快感はなかった。
ハンドルはフニャフニャして手ごたえがなく、これもまた感じはよくない。
反面乗り心地はフワフワした感じで、座り心地もよく、不思議な感じがした。
シフトはコラムタイプの3段変速で、旧いクルマということもあってギア操作が不安であったが、スコスコと気分よく入ってくれて、あまり気を使う必要はなく面白かった。

コンソルテと比べると、年式の差は僅かに5年、登場時期で比べてみても6年(パブリカ・コンソルテは1969年登場)しか違わないのだが、やはりスカイラインは一世代前のモデルということだろうか。
もちろん新車時に乗り比べた経験があるわけではないので、性能の差、フィーリング云々というのは的外れな話なのかもしれないが、私にとっては未知の領域のクルマであるような気がした。

デザインの点でもそれは同じで、腰高でスマートな印象はなく、リアフェンダーに僅かに残るテールフィンの名残のようなデザイン処理も年代を感じさせ、私に馴染み深い70年代以降のモデルとの違いを感じさせた。

座席は他車の流用だろうか、三角窓はポーターキャブで慣れ親しんだ懐かしい装備であるが、スカイラインでは開閉レバーにロック装置がついていて、スイッチを押しながらではないとレバーを操作できないようになっている。
そのほか立派なホーンリングがついたハンドルといい、色付きガラスといい、なかなかお金がかかったクルマであると思う。
1500ccクラスといえば、ファミリーカーというイメージが強いが、この当時にスカイラインを買えるような人といえば、それなりのリッチピープルだったんだろうなと思う。

スピードメーターは目盛りの始点が「10」からとなっており、「0」の表示がない。
写真は停車中に撮ったものであるが、停車時でも針の指している位置は「10」となっていて、何だか変な感じ。
プリンス自動車の流儀?


ともあれ、上にも書いたギャップや印象を含め、全てが興味深く、今回も面白く貴重な体験であったと思う。
昨年、旧サイト時代に親しくしていただいた人から、この「レトロレンタカー・スカイライン」の体験記をメールで頂戴したが、その人はコラムシフトが体験したかった、面白かったという感想を述べておられた。
私もコラムシフト車の運転経験は極僅かであったので、この方と同様な印象がある。
また今回のスカイラインは、私が運転したクルマのなかで最も古いクルマであり、このような古いクルマを運転する機会は最後になるかもしれず、よい思い出になったと思う。



レトロレンタカーについては、前回2009年時では「コンソルテ」「スカイライン」「キャロル」の3台が用意されていましたが、残念ながら「コンソルテ」は引退したそうで、現在は後者2台で営業中。
詳細については、事前に最新の情報をお確かめください。
(2013.5.4)

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