日野コンマース
雑誌オールドタイマーで紹介されたこともあり、おそらく殆どの方がご存知だと思うが、広島県福山市の福山自動車時計博物館に収蔵されている日野コンマース。
1960年(昭和35年)発売という古いモデルで、販売台数も少なかった為、現存するものは極僅か。エンジンまでかかる個体はここに収蔵されたこの1台のみということで、まことにありがたーい、貴重な一台。

このクルマの概略特徴については、カタログ写真にテキトーな記事をつけてアップしたページがありますんで、そちらをどうぞ。(リンク・別窓)
ちゃんと詳細を知りたい!という方は、詳しく解説されてるサイトが複数ありますので検索してみてください。
私のサイトの1000倍くらい、確かで詳細な記事が得られます。

ということで、今回も独りよがりな、役に立たない記事を書き連ねていきましょう。
このクルマの紹介記事がオールドタイマーに掲載されたのは2008年頃だったろうか(例によって掲載誌がどこかに埋もれて出てこない・・)、以前から興味があったクルマということで、非常に興味深く記事を読んだのだが、実車が存在するとなると是非とも見たくなり、友人と「しまなみ海道」に原付ツーリングへと行った帰途に福山市へと立ち寄り、ありがたーく拝観してきた。

感動のご対面。
現在の目で見ると、部分部分のデザインが小ぢんまりとしていて、相対的にミニマムなかんじ。(もちろん実寸法も小さい)
顔はコワイです・・・。子供の頃に見ていたら、「コワイ顔」などと言って嫌ってただろうなあ。
商用車ということもあり、光物が殆どないシンプルなデザインで、飾り物といえばフロントの日野マークと車名のマークくらいだろうか。
ヘッドランプ周りに浅いプレスラインが入って装飾っぽくなっているが、これはビミョーかも。
サイド側は連続したラインがデザイン化されていて、シンプルでいてなかなかカッコイイし、スマートな印象。
正面から撮った写真で見てもらうとよく分かるが、左右のAピラーに、乗降用のグリップが付いているのが面白い。
今なら車室内に付けるのが常識なのにね。いすゞの古いマイクロバスでも見かけたことがあるが、これが昔のトレンドですか?


コンマースの右側面扉のヒンジ

前後席扉を全開にした日野ルノー
カタログのページで一度書いているが、コンマースの左側扉は、助手席扉と後席扉(荷物室)のヒンジがBピラーの同じ位置についている。
これでは両方の扉を空けたときに、扉同士がゴッチンコしてしまいそうな気がするのだが、何らかの対策がとられていたのだろうか。常識的に考えると、ストッパーの様なものが付いていたのだろうが、外側から観察しただけでは今ひとつよく分からなかった。

ちなみに同じくBビラーに前後扉のヒンジが付いている日野ルノーでは、下側ヒンジに板バネ状のストッパーが付いていて、扉を全開にしても板バネで跳ね返されるような状態となって、ドア同士が衝突しない様になっていた。(上写真の右側)
これを確認できたのは、同じ博物館で展示してある日野ルノーの実車で。
この博物館は、展示してある実物に触ることができる、非常に面白い博物館です。

これは博物館から少し離れたところにある、付属施設らしき場所に置かれている日野ブリスカ。
このブリスカは、平成5年に博物館を訪ねた際に一度見かけていたのだが、その後別の場所で保管されていたらしく対面の機会がなかった。今回コンマースとの対面と同時に、思いがけず嬉しい再会が出来た。
最初に会ったときには既に廃車同然の状態だったと思うのだが、それから20年近く経った割には、あまり変わっていないような気もする。
現存するものが何台あるのかは知らないが、これも相当な稀少車であることは間違いない、あーありがたやありがたやー。

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