デルピス号
都会にお住まいの方はもちろん、田舎の人にもあまりなじみが無いであろう、小型特殊自動車デルピス号。
林内作業車と銘打たれたこのクルマ、伐採材木の搬出等、山道での使用を考慮して、小回りの効く3輪を採用。
また全輪駆動(つまり3WD)方式の採用など、ユニークかつ実用的な思想で設計されており、各地の林業家に重宝されたと云う。
群馬県に有った、農林機械研究所の佐藤智太郎氏が産みの親であるが、残念な事に現在は廃業との事である。

デルピス号は、元々佐藤氏が手製し、自家使用していた汎用発動機搭載の作業車が母体と成っており、ミゼットにサブミッションを搭載した改造車等を経て、この形に至り商品化されている。

エンジンはダイハツの軽エンジンを搭載、変速機もダイハツ製だが、その後ろにもう一台変速機が付いており、Wミッションとなっている。
2次変速機はトヨタのトラック用のもので、トルクと登坂力の実力は折り紙付きの保証付き。

追記
リンクを貼ってくださっている方がいるようなので、写真を大きくして再掲載しました。
更に生きてゐるデルピス号を紹介しています、こちらもどうぞ。(リンク

スレート板は、雨よけ。
ハンドルは簡単な単管パイプ、スイッチなどの類も少なく、非常に簡素な印象。
手前緑色のキャップが付いたタンクは、2サイクルオイルのタンク。
以前お会いしたフェローMAXのオーナーの方によれば、フェローMAXの流用品らしい。

運転台の後ろに位置する2次変速機。
「トヨタ」マークの陽刻が入っていて、前述のとおりトラック用のものらしいが、種車の車種は不明。

この写真では見づらいが、後方向に(写真左手)2本のパワーシャフト(後輪駆動用、ウィンチ用)が確認できる。
1次変速機は運転席の下に位置しておりこの写真では見えない。

従台車のアップ。
ノースピンデフのステッカーが貼られているが、仕組みは説明できるほどの知識がないので省略。
検索すると分かりやすく説明しているページがありますので、ご自由にどうぞ。

前頭部に貼られたデルピスマークと、佐藤氏の個人名が記された銘盤。

こーゆーふーに使います。(おっちゃんかっこいいぜ!!)


「デルピス」というネームの由来は「デルタ地帯をピストンの如く力強く走る」だそうです、よくわからんセンスですがなんとなくイカスネーミングです。

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