トヨタハイエース登場52周年記念
初代ハイエース特集
トヨタハイエースが登場してから、今年で52周年だそうでおめでとうございます。

「登場50年」というニュースを聞いたのが2年前のことでして、手持ちの写真をまとめて「50周年記念企画」として打ち出そう(こりゃタイムリーな企画ダゼ!)と決めたのがそのとき。
それからダラダラと放置したまま気が付けば2年も経ってしまっていたわけで、我ながらいい加減なものだと、自身にあきれる次第であります。
そのあきれるという言葉自体、いまさらながらと思わなくもないですが。

トップの写真は1967年(昭和42年)登場の初代ハイエース。
初代ハイエースは、私の子供の頃にはそれこそウヨウヨとしていたもので、トミカでモデル化されていたこともあって、非常に馴染みの深い、懐かしいクルマである。

ワンボックスワゴン廃車体の王道、倉庫仕様として使われている個体。
ざっくり前期と後期という区分で分けると、写真のクルマは登場当初の前期型となる。
この前期後期という呼び方は私の認識によるもので、公式や一般的な見方ではないので、ご注意方。

スライドドアのない大きな運転席側パネルと、やたらとピラーの細い、大きなサイド窓ガラスが目をひく。
個人的にサイドパネルの丸みを帯びたふくらみと、ウエストを走るプレスライン、それもエンド側の終端が弧を描いて下側に流れているところが大変好き。

一番トップの写真は、この写真右側に見える用水路にしゃがみこんで撮影したもので、知らない人からみればいかにも怪しそうな人に見えたことと思う。
なかなかこの趣味も大変なのである。

同じ個体のリア部分のアップ。
デラックスのグレードエンブレムが付くが、青いストライプラインが純正のものか、オーナーの特別塗装であるかは不明。
屋号の記入はなく、運転席ドア下に「自家用」という表記(これまた懐かしい)が残っているだけで、現役当時の様子をうかがえるものはなかった。
オリジナルの雰囲気はよく残っていたが、全体にサビが進んでいて先行きはあまり長くなさそう。

ちょっと分かりにくいが、リアバンパーの上に残るバックランプの姿がお分かりか?
後退灯が義務化されたのが何時だったか資料がないが、非装備、またはオプション扱いであった時代の名残からか、前期型ハイエースのバックランプはこの様な形状で取り付けられていた。
後期型では他の灯火と一緒に組み込まれ、一体型ランプとして改良されている。

これは積み上げられた廃車体の一台。
側面側のガラスは大部分が失われているが、一枚だけ残ったガラスから、側面窓は平面ガラス(板ガラス)が使われていることが分かる。

同じ個体の後ろから。
少し開いたリアゲートの状態でよく分かるが、リアゲートは一体物ではなく、上側の跳ね上げドアと、ナンバープレートが付いている下側ドアの2分割で開くようになっている。
これも60年代のワゴン・バンにはよく見られた仕様で、歴史を感じさせる。

軽くドアを開けられるダンパーとかが未発達だったのか、コストが関係していたのか、あるいはこのほうがニーズにあっていたのか、私にはよく分からない。

初回更新時には素性がよく分からないと書いていたのだが、あとからよくよく調べると、このクルマは12人乗りの乗用仕様だったみたい。

再び廃車倉庫として使われている個体。
ガラス類の破損が見られるのが痛々しいが、手を加えられた痕跡はなく、原型をとどめている。

これは私が言うところの後期型に当たるモデルで、グリルのデザインが異なることがポイント。
というか、私にはそれ以外の違いがよく分からんのですが。
比較的単板じみた印象の前期型グリルに比べ、ちょっと立体感が出てホリが深くなった感じ。

初代ハイエースの廃車体は、90年代後半まではよく見られたように思うが、草ヒロと称して熱心に写真を撮り始めた2000年代頃には数も減ってしまい、新ネタを見つけると「おっ」という感じで嬉しかったものである。

草むらに埋もれるハイエース。
見難いけどこれは前期型のグリルをつけている。
いつもながらの私の悪い癖で、何枚か写真を撮ったら満足してオシマイというパターン。
特に草むらなどで全景が撮れないクルマには執着しない傾向が強い。
だからこのクルマもワゴンだったのかバンだったのか、今となっては分からない。

フロントに付くトヨタマーク。
これもデザインが何種類かあるようで、三角形を2段重ねにしたこのタイプを含め、形状や色差しが異なるものが複数見受けられる。
おそらく年式やグレード別によるものだろうと思う。
いつもどおり「わからない」の連発で申し訳ないのだけど、ここらへんまでくると手に負えないです。

倉庫の陰で、同じく廃車のアクティに隠れた状態のハイエース。
手前のアクティ、特に後期のタイプは比較的レア度が低いという認識であったが、さすがに見かける率も低くなった。

別アングルからの一枚。
僅かに見える文字から、元ふとん店のクルマ?
比較的さびは少ないように見える。

旧道沿いに間口を持つ、自動車整備工場の裏だったと思う。
本来は裏手にあたる部分だが、新道であるバイパス側からは丸見えの状態で、望遠レンズで一枚撮影させてもらった。
これも倉庫として使われているようで、なにやらいろいろと中に詰め込まれている様子が分かる。

草むらのヒーロー・・・。

出す価値があるのかどうか、若干の負い目を感じるのだが、これもハイエース。
盆明けの暑い暑い時期に撮影した一枚。

価値はあるのか・・・。

といいながら同じ個体の2枚目。
リア側も猛烈な草いきれで殆ど観察ができない状態。

負い目を感じる・・・?。

言葉の価値をあまり感じないままの3枚目。
唯一草の途切れる助手席側フロント部。
私の方を向いている鏡で、自分の姿をよっく見てみようか。

結局満足な写真が撮れないまま退散することになった個体。
撮影場所は覚えているので(だいたい・・)、草の少ない時期に再会したいと思っているのだが、再訪の機会がないまま、そのまんま。
もう残ってないだろうな・・・。

最後にちょっとオカルトめいた個体の廃車体。
これは人為的な破壊と思しき傷が多く、いささか痛ましい状態。
ガラスが満足に残っていないことに加え、天井クロスが垂れ下がっているところがまた凄惨な感じを増している。

開きっぱなしの助手席ドア。
試しに動かしてみたが、閉まるどころか、満足に動く状態でもなかった。

面積が小さく、いかにも薄っぺらい内装材が登場した年代を感じさせる。
ドアラッチも昔のクルマってこうだったよなあ。

唯一ガラス窓の痕跡が残るリアハッチ。
ご丁寧にも、ここ以外のガラスは全て崩されおちた状態で、窓枠に小さな破片がのこる以外はガラスも残っていなかった。
リアも大きな石かなにかを投げつけたんだろうね。

小さな破片に粉々に砕けるガラス(強化ガラス)というのは、刑事ドラマのシーンなどでの記憶が強いが、今のガラスはその様に割れないことは皆さんご存知のとおり。

リア側にのこるハイエースのステッカー。
上に僅かに見えているが、「・・・カミソリ」という文字が入っていて、水色のカラーリングもその会社のものだった模様。
廃車になってから長かったのか、下回りが土に埋もれかけていて、イタズラによる損傷も含めて、良い状態ではなかった。