![]() ほっかむりエコー |
廃車となったバスを倉庫として、簡易な集会所などとして転用するケースは、以前はよく見かけたものであるが、昨今の廃車体事情の例にもれず撤去が進み、また新しい廃車体として新たに登場するケース(我ながら変な言い回しだ)もあまり無いようで、あちこちに落っこちているという、昔ながらの状況は殆ど見かけなくなった。 以前なら安価で引っ張ってこられた廃車体も、リサイクル法や金属価値の上昇などで用意しにくくなったという事情もあるのだろう。 さて本題に入り、今回紹介するのは昭和40年代前半のマイクロバス、ニッサンエコー。 マニアの人なら、ドライブシャフトが折れるという欠陥車騒動のこと、また後継のシビリアン(初代)との関係など十分にご承知のことと思うので、一切省略。 私が子供の頃、初代シビリアンといえばバリバリの現行モデルで有り、同時期のトヨタコースターと共に、ちゃんと名前も形も認識していたのだが、エコーについては全く記憶がない。 おそらくシビリアンとエコーの区別がついていなかったのだと思われ、エコーというモデルを認識したのはずーっと後年になってから、それこそネットをはじめてからくらいだと思う。 それ以降でエコーを見かけたのは、このクルマも含めて2回だけ。 シビリアンを見かけることさえ稀になってきただけに、エコーとの出会いはなかなかに嬉しかった。 |
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極シンプルで、いかにも昭和40年代的な造形のフロントマスク。 フォグランプには、棒状の保護網がかぶせられている。 未舗装路が多かった当時は飛び石で燈火類が割れることが多かったそうで、装飾ではない実用的なアイテム。 私が読んだ本でも、アラスカを走ったニッサンのテストドライバーや、自動車の世界旅行記などで必須装備として上げている人がいた。 バンパーの肩につく砲弾型の小さな部品は、対向車のライトを感知して自車ライトのハイ・ロー切り替えをするセンサー・・、かと思ったのだが、左右どっちにも付いていたので、車幅灯的な装飾品じゃないかと思う。 |
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フロントガラスの下には真一文字に重厚なモールが走る。 乗用車のようにペラペラの一本線では物足りなかったのか。 その下にはエコーのエンブレム。 さらにその下には「G4」というマークが付くが、この「G4」の意味が分からない。 ネット検索したり、当時の自動車ガイドブックを漁ってみたりしたけど、残念ながら解明できず。 ただ、「D4」というマークを付けた同型車の写真がネット上に有り、それから推測すると「G」はガソリン、「D」はディーゼルエンジンじゃないかと思う。すると4は4気筒ということ、かな・・? |
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フトロントマスクにもう一枚気になるバッジ。 両端にチェッカーフラッグと、日の丸、中央には大きな「J」の文字と、小さな文字で「CAR MAN」と入る。 これがネット検索をしてみたものの正体不明。 純正品なのか、社外品なのかさえ不明だが、マニアとしてはいかにも昭和的なセンスのワンポイントが楽しい。 バンパーの砲弾型ランプもそうだが、オーナーの趣味で付けられたものではないかと思う。 |
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全体を一枚。 自動車ガイドブックの記事によれば、車体のツートンカラーは白を基調に青・赤・緑が有った模様。 ネット上にある写真ではこれと同じ青色が多いように思う。 フロントバンパーは3本をつなぎ合わせた大きなもので、サイド側はフロントのタイヤハウスのところまで長く延びている。 重厚なモールもそうだが、シンプルな素材をなるべく高級そうに装おうとした結果の産物ではないかと思う。 工場を出てから50年弱、当然サビがかなり出ているが、年式を考えればまだマシなほうかも。 全体にブルーシートがかけられているのは、既に雨漏りがしているのかもしれず、先行きは不透明。 最初で最後かもしれないが、昭和40年代のモデルとの出会いが大変嬉しく、楽しく撮影をさせてもらった一台。 |
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