家族旅行と草ヒロ趣味
これまでにも何度も書いたが、我々趣味者が「草ヒロ」と呼ぶ形での廃車体の姿を見ることは、ここ10年ほどの間に極端に少なくなった。
それにあわせて私の草ヒロにかける熱意というものも薄れてきたようで、最近は「ちょっと気になる」程度の被写体では、面倒くさがってスルーすることも多くなった。
道なき道を踏破し、草木を掻き分け、靴を泥だらけにしてでも撮影に挑んでいた、若き日の自分の姿を思い出すと、寂しい気がしないでもない。(オバカともいう)

今回紹介するネタは、今年(2016年)2月に撮影した「ちょっと気になる+α」で撮影に至った被写体。
親と行った観光旅行の最中、レンタカーで通りかかり、一度は通過したものの、どうしても気になり、引き返して撮影した一枚。
普段なら親と一緒の際はこういったことはしないのだが、新雪の中に佇むその姿がなんとも魅力的で、抗うことができなかった。

両親共に、私が変なクルマに興味を示すことは知っているので、今更隠し立てすることもないのだが、なんかやっぱりこっぱずかしいんだな。
だったら引き返してまで撮影してんじゃねぇよと突っ込まれそうだが、そこら辺はまあ許して欲しいのですよ。

被写体は、特徴的な角々したボディを持つマイクロバス、いすゞジャーニーQ。
トミカで「移動図書館」タイプのモデルが製品化されていたこと、図鑑だったか何かに同型車の写真が出ていたことなどから、懐かしさと親しみを感じるモデル。
正面から見るとよく分かるが、フロントバンパーが一部、上方向にひん曲がってしまっている。
レッカーの際に曲げたのだろうが、バス・トラックなど大型の廃車体ではよく見られる特徴で有り、不機嫌に口元をひんまげているようにも見えて面白くもあり、ちょっとした悲しさも感じさせる。

この撮影をした後、極近くに2代目トヨエースのダブルキャブという、かなり心引かれる廃車体も見つけたのだが、こちらは残念ながらスルー。
廃バスに嬉々としてカメラを向ける私を見る、親の呆れ顔に臆したわけでも無いが、まあ遠慮しておいた。
(2016.3.20)

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