ちょっとあやしい (チャチャチャ) カ ローォラー
今回の主役は、1970年(昭和45年)登場の2代目トヨタカローラ・ライトバン。
私の記憶にあり、懐かしく思い出すことができるカローラといえば、次代の3代目カローラ、いわゆる「さんまるカローラ」(1974年登場)以降からとなり、セダンを含め2代目カローラの記憶はあまりない。
後年古いクルマに興味を持つようになってからでも、初代カローラの印象に隠れて、私的には今ひとつ影が薄いモデルと感じることが多かった。

さて題名で「あやしい」と歌った謳ったこのカローラライトバンであるが、パッと見でめざどい皆様方ならお気づきのことと思う。
とりあえず特徴的なデザインのホイールキャップは、初代カローラのものだな。

前からもパシャリ。
2代目カローラの変遷を極々大雑把に分類すると、初期型・中期型・後期型という3種類のフロントマスクが存在するが、このフロントマスクは後期型に相当するモデル。(この分類は、私が便宜上勝手に名づけたものなので、あまり信用しないように)

ほいでもって、目利きの皆様方はここでもニヤリとされたはず。
テールランプが赤色の兼用燈(制動+方向指示)なのは、初期モデルの特徴。
つうことは後期型の顔と、初期型のお尻を持つ、特別な一台とゆーこと。

マニアな人が自分好みに仕上げたモデルなのだろうが、中々に渋いご趣味である。
ベースとなっているのが、初期型なのか、後期型なのかはよく分からないが、「姫路 4」というヒトケタナンバーをつけているところを見ると、初期モデルに後期モデルのフロントをくっ付けたのが正解だろうか。
しかし、マスクを変えるとなると、フロント・フェンダーとボンネットも変えることになるはずで(形状が違う)、相当なご苦労が必要だったはず。
金も体力も技術に気力もない私は、すごいなぁと感心するばかり。

こちらは廃車体の一枚。
上のカローラ・ライトバンは2ドア(3ドア)モデルであるが、こちらは一般的な4ドア(5ドア)モデル。
強い西日に当たって白とびしてしまっているが、道端に停めたクルマの中から簡単に撮った一枚で、気楽にというか、それほど執着もせず立ち去った覚えがある。
この少し後、再度通りかかった際には既に撤去されて姿もなかったが、あまり気にすることもなかった。
当時はまだまだ草ヒロ資源も豊富で、マニアとしてはよき時代であったと思う。

廃車体置き場で撮影した後期型と思しき一台。
トップの前期型テールとの違いをよく見比べて欲しい。
テールランプレンズが3色タイプになった他、ウェストラインの飾りモールやオーナメントの形状も違っているが、基本的な形状は変わっていないように見える。

上にも書いたが、次世代モデルである3代目さんまるカローラが登場したのは1974年(昭和49年)。
しかし2代目カローラもグレードを絞りながら販売を継続しており、セダンの一部グレードは約1年半、ライトバンに至っては約3年半近く経った1977年(昭和52年)まで継続生産されていた。
この間、さんまるのライトバンも併売されていたので、当時のカタログには二種類のカローラ・ライトバンが掲載されていた。

なぜそこまで生産を続けたのか、よく事情は知らないが、やっばり安く売れるから、そーゆー需要があったんですかね。
あるいは輸出向けに旧モデルのラインがあったとかで、国内向けにも廉価モデルとして流用したとか。

写真のクルマ、テールゲート右下に積載量のステッカーが貼ってあるが、この独特の書体は、さんまるカローラバンにも同じものが使われていたはずで、実に懐かしい。

最後にオマケを一台。
ダイハツシャルマンが、2代目カローラをベースにしていたというのはよくご存知だと思うが、セダンは外板の殆どをオリジナルとしたこともあり、外観上での類似点や雰囲気を感じることは少ない。
しかしながら、ライトバンまではその情熱が浸透しなかったのか、後部の雰囲気はカローラバンとよく似ている。
特にテールゲートと荷室部分のガラスは同一部品でないかと思う。

(2015.12.6)

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