下膨れから中膨れへ
以前とりあげた4代目ダイナと同様、セミキャブオーバーからフルキャブオーバーへとモデルチェンジした、4代目トヨエース。
4代目ダイナは1977年(昭和52年)登場、今回の主役4代目トヨエースは1979年(昭和54年)登場と、登場時期が重なる。
同じく伝統的にセミキャブスタイルをとり続けていた、ニッサンのキャブスター、サニーキャブ・チェリーキャブなどが消滅したのも昭和50年代初頭。
丁度節目の時期だったんでしょうな。

ダイナの回で書いたが、幼少時の私はダイナといえばフルキャブの4代目のほうが断然ヒイキ。
トヨエースもセミキャブの3代目までは、あまりカッコイイデザインとは思えず、ダイナとあわせてカバ面の兄弟車みたいな認識をしていた。
しかし、フルキャブになったダイナを見て、かっこよくなったなぁと思ったのに比べると、フルキャブのトヨエースにはそれほど感慨というか、印象を持ったような記憶がない。
例によって説明するのが非常に難しいのだが、キリリとした印象をもったダイナに比べて、トヨエースにはあまり心に響くイメージがなかったらしい。
なんちゅうかこの、ED72みたいな中折れデザインが気に食わなかったんですかね。

ずーっと後年になってからは、新しいフルキャブモデルより、セミキャブモデルに興味が移ったのも、またダイナのケースと同様。
年代的にも昭和50年代のモデルにはあまり力を入れていなかったこともあり、私のコレクションには、この代のトヨエースの写真は少ない。

写真のクルマはナンバーは付いているが、現役なのかどうかはハテナの一台。
錆で肉が落ちるほど痩せたバンパーの具合が興味深い。
残念ながら正面から撮ったこの一枚しか写真が残っておらず、全体の雰囲気を窺うことができない。
タイムマシンがあったなら、当時の自分のおけつを蹴り上げてやりたい。

こちらはマイナーチェンジを受けた後期型。
外観では、グリル周りのデザインが変更され、ゴテゴテといろんなオマケがくっついている。
こっちのほうが私は好きでしたな。

この写真はある港の荷役場で撮った一枚。
かなり離れたところから望遠レンズで引き付けたため、ボンヤリとした写真になってしまっているが、手元にある後期型の写真はこれ一枚のみ。だから我慢しなさい。

ナンバーは付いていないが、遠目で見てもなかなかキレイな感じのクルマで、ちゃんとホイルキャップが揃っているところなどもうれしい。

こちらは消防団仕様のダブルキャブモデル。
改めて書くほどのことでもないが、この手のクルマは走行距離が少なく、完全車庫保管ということもあって、程度の良いクルマが多い。
このクルマも外観の痛みは見られず、ホイールキャップなどもキレイに残っている。
このタイプのトヨタのホイールキャップは、柔らかい樹脂で出来ていたような記憶があり(自信はない)、簡素なデザインも含めて安っぽい感じがしないでもなかったが、キャップレスが当然となった最近のトラックに比べると、なんとも味のある装備品だと思う。

回転灯が二つも付いているところがデラックスな一台。
バンパーに付く後付ランプが、赤色灯でなく、フォグランプであるところもまたおしゃれ。

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