![]() 自然派 |
| いつの頃からか、草ヒロの出自をもって、「天然物」などという呼び方をする人を見受けるようになった。 カーマニアの人が、レストア待ちの為、部品取りの為などに保管しているクルマと対比させて、そういう目的で残されたわけではない、純然たる、単なる廃車体(我ながら変な言い回しだ)のことを「天然物」と言っているのだが、その対義語が「養殖物」かというと、そうではないところは面白い。 こんな言葉が出てきたのは、いわゆる「天然物」の草ヒロを見かける機会が激減したためであろうが、草ヒロマニアの心理としては「天然物」の方が断然嬉しく、例え同じクルマであっても、「天然物」ならば撮影にもより気合が入るというのが正直なところで、マニアな人たちに共通する意識であると思う。 さて今回の写真は、そんな天然物の一枚。 初期の軽市場で、スバルと共に人気を二分していた名車マツダキャロル。 キャロルは当時としては生産台数が多く、大事に所有しつづける熱心なマニアな人が多いこともあって、旧車イベントでは必ずといっていいほど見受けられるクルマで、年式に割りに比較的見かける機会も多い。 古い整備工場の片隅でひっそりと保管されていたり、ピカピカに磨き上げられ、ショールームに飾られているキャロルも比較的よく見かけるものである。 しかし、草ヒロとしてであれば、これはもう別格で、特に「天然物」ではまず見かける機会がないクルマ。 この一枚は、幹線道路沿いに広がる、段々畑の中腹に置かれていたクルマで、そこまでは自走で上がっていったのであろうが、どうやって走っていったのか首をかしげるような狭い場所に置かれていた。 そこに鎮座して以降、長年の間にクルマが通るような道が消えてしまったのかもしれず、長い歴史を感じさせる、嬉しい「天然物」の獲物であった。 |
|
|
![]() |
![]() |
| 望遠レンズでのアップ。 人目が多い場所でもあり、接近しての撮影は断念。 というか、そこまでの上がり口がよく分からなかった・・。 ミラーがない、ウィンカーがない、バンパーがないと、所々に欠品が目立つが、ありがちな後年の改造箇所は見当たらず、オリジナルの姿がよく残っている。 特にルーフに施されていた、ブルーのツートンカラーがうっすらと残っているところなどが実にリアルで、天然物の味わい深い一品。 | |
|
| |
![]() | |
| さて、散々と天然物を褒めちぎり、有り難がったあとは、「非・天然物」と思しき一台を紹介する。 これは近年まで稼動状態にあったと思われる固体で、おそらくマニアな人が乗っていたものなのであろう。 何故こんな草っ原に放置されているのかは不明であるが、上の個体を「天然物」と定義づけるなら、こちらは「非・天然物」と定義づける事に、異議のある方はおられまい。 このように、「天然物」と、「非天然物」、どちらが嬉しいかと聞かれると、断然「天然物」に軍配を上げざるを得ないが、かといって「非・天然物」に全く興味が無いの?、崇高な理念をもって「天然物」以外には一切、手を出さないの?と問われると、ご覧の通りの有様であって、伏目がちに小さな声で「No」と答えざるを得ない。 あれだけ熱く「天然物」の良さを語ったあとに、臆面もなく「非・天然物」を語るとは厚顔甚だしいと思われるであろうが、私は万事にテキトーで「何でもあり」というのがモットーであり、難しい信念や一貫性を持つのは苦手なので、あまり気にしないことにしておく。 | |
|
| |
![]() |
後ろからの一枚。 塗装は非オリジナルだと思うが、それ以外は特に目立つ改造箇所もない。 サイドの塗装がハゲハゲになっているところと、屋根がベコベコにへこんでいるところが痛々しい。 屋根のヘコミはここに来てから、イタズラされたんだろうな・・。 このクルマ、しばらく放置状態にあったが、比較的短期間で姿を消した。 今頃は再び公道を走っているのかもしれない。 但しハンドルは、どこからか拾ってこなければなるまいが。 |
|
| |
| 戻る | |