PAネロ
いすゞが自社開発の小型乗用車から撤退して、早20年近く。
ジェミニや、アスカの現役のモデルを見ることは稀になってきたが、ネット上では大事にいすゞ車に乗り続けている人をたくさん見かける。
個人的にはあまり馴染みのないブランドであったのだが、ディープなファンが今なお存在することをみると、やはり消すには惜しいブランドであったのだろうなと思う。

今回紹介するのは、結果的に最終モデル(自社製)となってしまった、3代目ジェミニシリーズの派生モデル、PAネロ。
いすゞと関係が深かった、ヤナセの専売モデルとして登場したクルマで、現役当時から殆ど姿を見ることのなかった稀少車。
クーペとハッチバックモデルが用意されており、販売台数は3000台弱とのこと。
元々は、GM向けのOEMモデルであるGEO STORMというクルマの外装を流用したモデルで、北米では大いに売れたヒットモデルであるという。
この代のジェミニは旧モデルが成功していたことと、世がバブル期であったことなどから、なかなかのワイドバリェーションを有しており、セダン、クーペ、ハッチバックという基本モデルの他に、このPAネロ、ベースを共有するピアッツアなど、なかなか豪華な品揃えとなっていた。
流用とはいえ、さして販売数が見込めないヤナセに専売モデルまで設定したのも、この時期ならではのこと。

そんな稀少車を草ヒロ状態で発見したのは、人里離れた峠道、そこから少し入った湿っぽい山中でのこと。
持ち込まれてから日が浅いのか、あまり痛んだ雰囲気はなく、元々の状態も悪くなかった感じ。
先代のFFジェミニに比べ、クセの強いデザインとなってしまった3代目ジェミニセダンはあまりカッコイイと思ったことがないが、クーペとハッチバックのフロントマスクはスマートな感じで、結構好きなクルマであった。
PAネロは、アメリカ人好み(らしい)のフロントマスクで、カマロの縮小版と言った感じで、個人的好みというランクで言えば、基本系のジェミニクーペ・ハッチバックよりワンランク落ちる感じがした。

ジェミニクーペとは大きくイメージを変えたフロントマスクに比べ、リアスタイルはさほど違う印象はない。
ジェミニセダンも個性的といえばそうだったが、好みという視点ではジェミニクーペの方に圧倒的な軍配があがる。
更にいえば、個人的にはジェミニハッチバックの方が好きだったのだが、これはクーペよりも更に見かけず、PAネロに至ってはハッチバックを見かけた記憶すら全くない。
ジェミニハッチバックは発売後すぐの時に、大阪梅田阪急のコンコースで展示されていたことがあり、これが非常にかっこよく見えて、印象深かった。
阪急梅田いすゞショールームは既に撤退したようだが、なかなか立派なショールームだった記憶がある。

話を戻して、このPAネロにはベース車である、「GEO STORM」というエンブレムが取り付けられており、元のオーナーは趣味人であったことが伺える。
そんなクルマが何故草ヒロ状態にあったのかは不明であるが、程なく姿を消したことを見ると、一時的に保管しておられたのかもしれない。
このクルマも復活して、どこかで元気に走り続けてくれていることを祈ろう。

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