大きく出たね
ヤマハメイトとは・・・
ヤマハが作ったスーパーカブです。(ヤマハファンの人ゴメンなさい)

スズキバーディーと共に、どうしてもホンダスーパーカブの亜流というイメージが付きまとってしまうモデルであるが、スズキとヤマハはお得意の2サイクルエンジンを搭載、パワフルな乗り味で独自のファンを獲得していた。
写真の看板に記された「オートルーブ」とは、2サイクルエンジンの分離給油システムの名称。

私が説明するまでもないとは思うが、エンジンオイルがエンジンの中で循環し続ける4サイクルとは違い、2サイクルエンジンはエンジンオイルを燃料に混ぜて、燃料中のオイルでエンジン内を潤滑する仕組みとなっている。
今でも草刈機などの小型エンジンでは、「混合油(ミックスガソリン)」というオイルが混ざったガソリンを使っているが、混合給油方式は構造が簡略化できる為、小型軽量化が容易となる利点があり、かつては自動車やオートバイのエンジンに盛んに使われていたものである。

しかし、自動車用としては高速化、エンジンの高性能化が進むにつれ、混合給油方式では潤滑性能に不足を来たすこととなり、昭和30年代後半あたりから、オイルを別置のタンクからエンジン内へ供給する機構が次々と開発され採用されてゆく。
ヤマハ・オートルーブ以外では、スズキ・セルミックス・CCIS(クランク・シリンダー・インジェクション・システム)、ブリヂストン・ジェットルーブ、カワサキ・スーパールーブなど。
四輪では富士重工のスバルマチック、ダイハツ・オイルマチックなどという名称が有名どころか。
さくっと検索した限りでは、三菱はオートミックス、マツダポーターキャブのカタログにはS.L.S(強制分離潤滑方式)などという名称が見えるが、詳しいことはよく知らねっす。
私の祖父はオイルマチックと呼んでたねえ。

私の2サイクルエンジンの知識については、小型機械やバイク、軽自動車についてのみ。(それ以外はあんまり興味がない)
結構色々な仕組みのものがあるようなので、本格的に知りたい人は手始めにWikipediaあたりへどうぞ。
分離給油についても、別置タンクのオイルを、単純に燃料と混ぜるシステムというわけではないです。
が、またそういう単純なシステムもあるにはあります。
とにかく私がこれ以上触ると、誤った知識を広めてしまいそうだし(手遅れ?)、ボロというか手痛いヤケドを負いそうなので、このへんでドロンすることにしましょう。

今回の看板は、山間を縫うように走る、国道ならぬ酷道の途中にある民家の軒先にかかっていた。
元々は自転車屋か、モータース屋だった家なのだろうが、この看板以外には往時をしのばせる表示の類はなく、道路に面して幅広くガラス戸をとった土間部分だけが、それらしき雰囲気を残している。

看板のアップ写真で見ても分かるように、大変にキレイで傷一つないところが驚きであり、大事にされていることが分かって嬉しい。

メイトというブランドが使われ始めたのは、1965年(昭和40年)から、メイトの前進であるヤマハモペットにはオートルーブの表示が見えないことを考えると、オートルーブの採用はメイトが登場してからのことらしい。
「世界の話題」などと大胆に銘打っていることからも、この看板はメイト登場当初のものと考えてよさそう。
この時期の看板はホウロウや塗りの看板が殆どだったはずで、電飾式の看板は非常に異例なものだったはず。
当時のヤマハの力の入れ方が伺える。

ちなみにヤマハメイトは2008年(平成20年)限りで生産終了。
ヤマハは125cc以下の二輪車の国内生産も全て撤退済み、えらい時代になったもんやね・・。

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