ジウジアーロ・キャリイ
ご存知ジウジアーロ大先生デザインの、ありがたーい軽四輪、スズキキャリイL40。
前回、それ以前にも繰り返し書いているが、積載性を重視して箱型になりがちな軽キャブバンにあって、後部ドアを傾斜させた特異なスタイルをしている。

今回のキャリイは当時の高級グレードと思しきモデル。
リボンタイヤに、メッキホイールキャップ、一部が脱落しているものの、ウェストラインには飾りのモールまで付いている。
バンパーがサビで脱落しており、そこに露出したサビ穴が、ガイコツの口の様に見えなくもない。(フガフガ)

キャリイL40V(バン)の尾灯は、この時期の軽自動車としては珍しく、大型でしかも立体的な造形の、3色ランプを採用している。
同時期の軽自動車は、赤色一色か、赤と橙の2色コンビ、もしくはそれぞれを単体配置したランプが主流。このクラスで、このタイプのテールランプは先進的だったのではなかろうか。
採用の目的が高級感を出すためだったのか、デザイン上のものだったのかは知らんけど。

もっとも、この時期の国産車は、赤色一色の尾灯で方向指示器を兼用させるデザインが流行っており、赤色のみのテールランプ・イコール・安っぽい、という意味に直結していないことも考慮する必要があると思う。
赤色のみの尾灯は、視認性に問題ありということでほどなく規制がかかり、昭和50年代に入るまでには姿を消した。

モデル前期と後期、それぞれのお顔。
3年ほどと、生産期間が短いL40キャリイ。デザイン上あまり変わっている印象はなく、大幅な変更は受けていない模様。
しかし並べて見比べると、デザイン上のインパクトは少ないが、その実、グリル周りの部品はかなり違っていることが分かる。

これまで、私が見てきた同型車は、殆どが写真右と同じ後期型。
前期型は今回紹介した個体のみ、またバンはトラックに比べると圧倒的に販売数が少なかったのだが、私の印象ではトラックよりも、バンの現存数が少ないという印象はない。まあ私の印象であって、科学的な根拠ある数字じゃないんですけどね。
鉢巻きラインの装飾も、モールを配したもの、ペイントでラインを書き入れたもの、プレスラインのみで装飾がないものと、いろいろあるみたい。

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