ダイハツハイゼット・ミニヒストリー(アトレー含む)

割とネーミングをコロコロ変えたがるダイハツの中にあって、唯一異例とも思える長寿を誇るネームが「ダイハツハイゼット」。
私の記憶に有るのは360最終型となるモデル以降であるが、身近で使っている人が居なかった為か、それほど馴染みの有るクルマではなかった。
しかし記憶を辿ってみると、以外とスルスルと歴代モデルの顔が思い浮かんでくる、これは見かける機会が多いが故のことだろうと思う。

初代ハイゼット

昭和35年11月ピックアップ登場、翌36年5月ライトバンを追加。

ダイハツ初の軽4輪モデル、ライトバンは「乗用車的なバン」をねらいデラックスモデルを用意するなどして好評を博した。
2サイクルエンジンオイルの分離給油方式、オイルマチックの採用もライバルに先駆けており、商用車にめっぽう強いダイハツならではのモデルとなった。

キャブオーバータイプのハイゼットキャブ登場以降も併売されていたが、昭和42年フェローピック・バンシリーズの発売に伴い消滅。
ハイゼット・ライトバン(前期)
ハイゼット・ピックアップ(後期)

ハイゼットキャブ (2代目ハイゼット)

昭和39年登場。

小型車市場で主流となりつつあったキャブオーバースタイルを採用。
当時の軽トラックはボンネットかセミキャブオーバーが主流で、フルキャブオーバーならではの荷台の広さが売り。
ハイゼットと同じ空冷エンジンでスタートしたが、後に水冷エンジンに換装。
ハイゼットキャブ・トラック
(多分水冷モデル)

3代目ハイゼット

昭和43年登場

ハイゼットキャブが初めてのモデルチェンジ、既にボンネットトラックは消滅していた為愛称も「ハイゼット」に。
初期のモデルは前席のドアが、後ヒンジの前開きとなる。
今日すっかりお馴染みとなったハイゼットの電気自動車は、この代から市販が開始。
ハイゼット・ライトバン
ハイゼット・ライトバン 電気自動車

ハイゼット・ライトバン(前期) ハイゼット・ライトバン(後期)
4代目ハイゼット

昭和47年登場

`70sスタイルと云うのであろうか、濃いめで複雑なフロントマスクを採用。私が度々「怖い顔」と称するモデル。
商用車の必須アイテム、スライドドアの採用はこの代から。

軽自動車の規格改正により、新規格550ccモデルが登場した以後も2サイクル360ccという当初のスタイルのまま継続生産された。

新規格モデルと併売された理由は、当時50万以上も存在したという軽自動車限定免許所持者の為で(軽免許所持者は新規格モデルを運転出来なかった)、昭和56年までという長期間に渡りセールスを続け、「怖い顔」で幼少時の私をおびえさせた。

5代目ハイゼット

昭和52年登場。

550cc新規格対応モデル、エンジンは4サイクルとなりボディも大型化され「ハイゼット55ワイド」を名乗った。
ハイゼット・トラック(前期) ハイゼット・トラック(後期)

6代目ハイゼット

昭和56年登場。

乗用ユーザーの取り込みを目論んだ、アトレーシリーズが登場。
ハイルーフ、4WD、ターボといった新機構を採用したモデルも登場。ダイハツオリジナルのジャンボ仕様など、一気にバリエーションを増した。
ハイゼット・トラック(前期)
ハイゼット・トラック(後期)
ハイゼットアトレー いすゞハイゼット

7代目ハイゼット

昭和61年登場。

約8年間と比較的長期に渡って生産されたモデル、平成2年軽自動車の規格改正に伴い、660ccエンジンを搭載・ボディ拡大化の変更を受けている。
ハイゼット・トラック(550cc) ハイゼット・トラック(660cc)
ハイゼットアトレー(550cc)
アトレー(660cc)

8代目ハイゼット

平成6年登場

乗用ユーザーを主眼としてきたアトレーをハイゼットシリーズから分離、名実共にキャラクターの分離化を進めた。

アトレーシリーズは4ドアのリバーノ、レトロルックブームに乗っかったクラッシック。ハイゼットシリーズではメッキを多用した鉄仮面isなどと、バリェーションが増え細分化している。
フロントマスクだけとってもかなりのパターンが有り複雑、つまり全部は把握しておらずよく分からんのです。私にこれ以上の説明を求めても無駄です。

特筆すべきはアトレークラッシックと、ハイゼットisで、この顔はかなり怖く、例の4代目ハイゼット以来久々の「怖い顔」として私を震え上がらせる事となる。
ハイゼット・ライトバン
アトレー RT
ハイゼット・トラック is
アトレー クラッシック

9代目ハイゼット

平成11年登場

軽自動車の規格改正に呼応した新規格モデル、ハイゼット・カーゴを名乗るライトバンは、ジウジアーロデザインのセミキャブスタイルに変身。
トラックは旧型に手を入れた改良版で、フルキャブのトラックと、セミキャブのバンという異例の2本建ての構成をとることになる。
次回のモデルチェンジではどうなるのかな?

アトレーシリーズには遂に乗用登録モデルが登場。アトレーカスタムは、商用車ハイゼットベースとは思えぬ仕上がりぶりで、新たなユーザー層を開拓した感がある。
ハイゼット・トラック
ハイゼット・カーゴ
アトレー カスタム アトレーCL

歴代ハイゼットを「○代目」と数える際、私はハイゼットキャブを「2代目ハイゼット」として定義して、以降何代目・・・と数えています。
これについては初代モデルで有るボンネットタイプと、キャブオーバータイプのハイゼットキャブが長く併売されていた事、「ハイゼット」「ハイゼットキャブ」と名称が厳に別けられていた事、これらを考慮するとキャブは別モデルとしてカウントするのが正しい様な気もするんですが、私の主観で前述の形をとりました。
更に平成11年の規格更新モデル登場以降はバンとトラックがそれぞれ分離しているので、どうカウントするのが良いのかよく分かりません。
ま、いつもの事で難しい事を考えられるオツムは持ち合わせていないので、あいまいなままにしています。
ダイハツの本社広報部にでも尋ねれば、公式な見解を教えてくれるのかも知れませんけど、結論が出たところでどうなる、ああなるという話しじゃないですしねぇ・・。

ハイゼットとアトレーの歴史については、リンクさせて頂いている日野(YOU)さんのHP「アトレークラブ2号店」さんが詳細な情報をまとめておられます。特にアトレーについては、情報量と質がここの比ではありません。是非ご覧になってください。
(2000.9.1)

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