日産バイオレット

今はその名前さえ消えてしまったバイオレットだが、実はこのクルマブルーバード一族の一員として生を受けたモデルである。
それが証拠にバイオレットの型式は710。大ヒットモデルとなったダットサンブルーバード510と、その後継モデルであるブルーバードU610の続き番になっている。
これは日産の戦略でブルーバードを一段上の車格に格上げし、バイオレットにブルーバードのクラスを受け持たせ、二段重ねの戦略で新たなユーザー層を取り込み、トヨタに対抗しようとしたのである。

こうして誕生したバイオレットは思い切った斬新なデザインを採用、定番であった2ドアーハードトップ車も揃えてトヨタコロナに挑んだ。
一方バイオレットという手下を得たブルーバード610型の方は、ブルーバードUという名称を名乗り6気筒エンジンまで搭載して高級化路線をひた走しる事となる。結果は皆さんご存じの通り・・。
兄弟車にオースター・スタンザ、最後はバイオレット・リベルタとかいうのも有りましたなぁ。

写真のバイオレットはマイナーチェンジを受け、少しおとなしいスタイルとなった頃のモデル。
ただ者ではない雰囲気を漂わせているが、よく見るとエンブレムは全て欠損無く揃っているし、痛みも少ない。
ホイールとマフラーを換え、前部バンパーを取り外した以外はオリジナルだと思う。フェンダーミラーあたりを純正のままで残しているところなどオーナーのこだわりを感じるのだがいかがなものか。
それともこれから派手に改造されるのだろうか。(1999.11.18)

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