草ヒロばんざい! |
その2 草ヒロ学入門 |
草ヒロの定義について 草ヒロという言葉の意と、簡単な定義は「その1」で既に述べたとおりで、草むらの中に潜んでいる廃車の事を一般に草ヒロという。 しかし草が全くないところに有っても、廃車なら草ヒロと称する傾向が以前より有り、昨今では「草ヒロ」という言葉が廃車体自体を示す代名詞とも成りつつある。 かくいう私も廃車というと、大体草ヒロという括りで処理している。また放置場所によって「河ヒロ」だとか、「海ヒロ」などと応用する手法も、愛好家の間では既に一般化している。 とにかくなんでも撮っておこう 撮影行の回数が増え、目が肥えてくると、とかく珍しい物ばかり追ってしまい、あまり珍しくない草ヒロだと目もくれなくなってしまうものである。 これは当然と云えば当然なのだが、後から撮っておいたらよかったかな?等と後悔するケースも少なくない。 私がおすすめするのは珍しい、珍しくないはともかくも、とにかく撮っておく事である。 特に最近はデジタルカメラの普及が著しく、現像代もかからないので、お持ちの方は是非これを実践する事をおすすめする。 無意味なようで居て、撮影で培った経験と、その結果としてうまれた写真は必ずやあなたの財産となるであろう。 そんな財産が何になるんだ、と云われたら困るけどね。 | ||||
季節はめぐる
草ヒロ探訪にふさわしい時期についてだが、これは春と秋が比較的条件が良い。 冬は地域によるが、積雪の無い地方なら比較的良い時期と云えるだろう。 残る夏は草ヒロ探訪には不向きと云わざるを得ない。これは草ヒロが生い茂る草だとか、樹木の中に埋もれてしまうからで、撮影にも調査にも非常に困難が伴う。 また草むらの中にはヤブ蚊だとか、はち、まむし等が手ぐすね引いて待ちかまえており、特に注意が必要である。 写真資料 a は、夏草に埋もれてしまった草ヒロの一例。 本来「草ヒロ」という呼び名の通り、「草」は草ヒロの重要な構成用件であるのだが、こういう時ばかりは「草」の勢いを恨まざるを得ない。 またこのように草ヒロ自身が保護色の如きボディカラーをしている場合は、発見しにくく見落としてしまう事が多い。この点は経験を積んだ熟練者にも至難の技である。 私なんかは暑いのは嫌いなたちなので、夏場はいつもじっとして、ひたすら夏が過ぎるのを待っている。 | ||||
草ヒロに明日は無い 「俺たちに明日は無い、通帳には残が無い」これはセントルイスだったかいな?(こんなネタだれも分からんて・・) えーと、つまり私が云いたい事はですな、草ヒロの実体はあくまで廃車、私たちがいくら尊び、手を合わせて拝むような珍車であっても、一般の人たちには「廃棄物」でしか無いわけで、長い間その場に放置して有る草ヒロだからといって、明日もその草ヒロがそこに居るとは限らないという事で有る。 先日までそこにあったのに、日を改めて撮影に行ってみたら影も形もなかった、という事はよく有る話で、私も何度も涙を飲み、数知れぬ無念な想いを味あわされたもので有る。 とにかく草ヒロの基本は「一期一会」、見つけたらその場で写真を確保しておく事が肝要で有る。 以下資料 b-1 として添付した写真は、実家近くで長年放置状態にあった三菱ミニキャブトラックで有る。
以前「変な物写真館」で紹介したミニキャブトラックなのだが、20年近く放置状態でボロボロで有ったのに有る日忽然と姿を消した。(資料 b-2 参照) スクラップにするにも金がかかり、ボロボロでマニアに引き取ってもらうのも難しそうな代物だったので、宇宙人でも来たかと家人に尋ねると、「修理して乗るんだ」というマニアが来たとの事。マニア恐るべし・・。 あー、また話がずれてしまったが、このように長年放置状態にあるクルマでも、明日は知れないと云うこと。とにかく「草ヒロに明日は無い」「一期一会」はよく頭に置いて頂きたい。 | ||||
危険信号 冒頭「草ヒロ愛好者に市民権を!」と呼びかけ、現状を憂いていた私で有るが、やはり一般人の前では「草ヒロ趣味」の事を口にするのを避けている。 別に隠す必要は無いようにも思うのだが、現在の状況下に於いては「草ヒロ愛好者」は影の存在であると認めざるを得ない。 もちろん中には「俺は草ヒロが好きだー!」とか叫び、髪を振り乱して撮影に取り組む御仁も居るのかもしれないが、少なくとも私は未だかつて見たことが無い。 愛好家が若い男性なら女性とデートをする事も有るだろうが、そんな時には決して草ヒロの事を口にしてはいけない。もちろんクルマを停めて撮影をするなどもっての他である。それらの行為はすなわち破局を意味するので有る。 時には「いい趣味ですね」等と云う女性も居るかも知れないが、これはそのまま信じないこと、その言葉が彼女の本心で無い事は火を見るよりも明らかであるし、その様な事を言う女性は秘密警察から送り込まれてきたスパイかもしれない。あるいは可愛い女性に化けたエイリアンかも。(クワバラ・クワバラ) ということで草ヒロ愛好者の行動は、隠密行動が基本となっている事が多い。 行動についてとにかく注意すべき事は、対人トラブルと怪我である。 クルマで探訪に行っている人は、駐車する際は駐車場所をよく考慮する事。 少々徒歩距離が長くなっても、安全で交通の障害とならない駐車位置を確保する事。また畑の作物を荒らしたり、草ヒロの破壊行為などももっての他。 次ぎに、撮影についての許可であるが、草ヒロは廃車と云えど所有者の有る私有財産。当然の事ながら事前に所有者に会い、許可を求めるのが望ましい。 しかし現実にはそんな事は面倒であるし、私も実際許可をもらった事も無い。偉そうな事を書いておきながら、ここらへんはいい加減なものであるが、写真を撮るだけのことなんだからと勘弁してもらっている。 ここらへんはケース・バイ・ケース、皆さんの常識で、良いか悪いかの分岐点を判断してもらいたい。 もちろん支障が出そうなときは撮影を中止したり、持ち主に許可を貰いに行く等して欲しい。 とにかく少しでもやばいかな?と思った事は、やめておいた方が良い。
また撮影時、周りに人が居るときは、こちらから先に声をかけてみるのも手で有る。 話の内容は「このクルマ、古いクルマですね」とか、「趣味で写真をとってるんですよ」といった他愛の無い会話で構わない。以外と声を掛けた人が元の持ち主であったりして、面白い話が聞けるかもしれない。 一言声を掛けるだけでも、相手の不信感が随分と消えるものである。 中には声を掛けることによって、ますます不審がられてしまう人も居るだろうが、それはその人の資質によるもので有って、うまくいかなくても私のせいでは無い。 また資料 c の如き看板の立っている所では、あらぬ疑いを掛けられる恐れもなきにしも有らず、とにかくあまり長居せぬ方が良いだろう・・。 末文になったが、怪我には十分注意しよう。 | ||||
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